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起業の潮流
スタートアップ、VC、投資家、市民が交わり過去最大規模となった「SusHi Tech Tokyo 2025」 【イベントレポート】
公開日:2025.08.25
都市とスタートアップの未来を描く、共創の3日間
東京都主催のアジア最大級のスタートアップ・カンファレンス「SusHi Tech Tokyo 2025」(Sustainable High City Tech Tokyo)が、2025年5月8日〜10日、東京ビッグサイト東ホール(4・5・6)で開催。
公式レポートによると、参加者数は5.7万人(前年比+1.7万人)、うちリアル参加者は4.3万人。全国35自治体、世界中から607社のスタートアップが出展し、スタートアップの当事者・支援者・関係者が一堂に会し、過去最大規模で閉幕しました。
サステナブルな都市づくりの課題を、テクノロジーの力で解決策を見出すために、スタートアップの起業家をはじめ、多様なプレイヤーと多くの関わりが生まれました。
本レポートでは、起業支援者として重要な視点を盛り込みながら、現場からの気づきをお伝えします。
DAY 1|都市×スタートアップ 共創する未来都市
都庁が掲げる“未来都市”ビジョン
小池百合子東京都知事の開幕スピーチでは、「最先端テクノロジーで持続可能な都市を実現する」という明確な宣言があり、都市型スタートアップとの連携推進の方向性が示されました。
セッション構成と支援者への示唆
「都市構想/テクノロジー/スタートアップ」のテーマで構成された複数セッションでは、特にデジタルツインによる災害対策やESGファイナンスの最新トレンドが注目を集めました。政策・技術・資金の三位一体支援の形を再考する上で、実践的な教材となり得ると感じました。
SusHi Tech Challenge 2025 セミファイナル開催
5月8日には、東京都主催のピッチコンテスト「SusHi Tech Challenge 2025」のセミファイナルが実施され、サービスやプロダクトを備えた社会課題型スタートアップが登壇。環境・教育・地域課題などがテーマで、起業支援者の目線からも“何を支援すべきか”が試される機会となりました。
大企業と並び起業支援会社で唯一シルバーパートナーに名前を連ねた弊社(株式会社ツクリエ)は、セミファイナルで登壇したマテリアル領域の北海道大学発ベンチャー「MECHANOCROSS CO.,LTD.」を表彰し、今後の支援を表明しました。
グローバルマッチングの場としての価値
世界から607社のスタートアップが集結し、506名の海外VCが来場。出展規模と商談の深さ(6,136件の商談実績)は、支援者としてのグローバル対応力の必要性を感じさせました。

小池百合子東京都知事によるスピーチ

カウフマン・フェロー出身者が、グローバル投資家としての成長を語るセッション

起業支援会社のツクリエが、SusHi Tech Challengeセミファイナルで有望なスタートアップ「メカノクロス」社を表彰

世界中から約600社のスタートアップに、47社のコーポレートパートナー(大企業など)が参加
DAY 2|ディープテック×若手×チャレンジ
テクノロジーの最前線を探る「Focus On」セッション
AI、量子技術、フードテック等、旬の技術領域をテーマにした「Focus On」セッションでは、自動運転・量子コンピュータ・代替食品などの実用化につながる最新動向を議論。支援対象としての専門性と実装志向が両立した内容でした。
学生主導「ITAMAE プログラム」
学生メンバーが中心となったプログラム「ITAMAE(いたまえ)」では、ピッチやワークショップが運営されました。学生起業家育成への視点が具現化されており、起業家教育の可能性が改めて浮き彫りになりました。
SusHi Tech Challenge 2025 ファイナル
5月9日にはSusHi Tech Challenge 2025 のファイナルが開催。英語でのピッチ形式で、最終的にグランプリに選ばれた3Dプリンティング技術のスタートアップ「3D Architech Inc.」には、1,000万円の賞金が授与されました。社会課題ドリブンな事業が東京の大舞台で評価される姿は、支援戦略の再設計促進の象徴とも言えます。
非公式ネットワーキングの価値
夜には都内共創拠点でアフターパーティが開催され、スタートアップ、VC、大企業、自治体関係者が集い、自然発生的なコラボの芽が多数生まれました。


ITAMAEによる学生起業家向けピッチコンテスト「出世魚ピッチ」

SusHi Tech Challenge 2025 ファイナルでグランプリを受賞した「3D Architech Inc.」を表彰
DAY 3|市民と共につくるイノベーション
一般公開「Public Day」
5月10日は市民・学生向けに無料開放され、AIロボット、EVカート、月面探査ローバー体験など、多彩なコンテンツが並ぶ「未来体験パビリオン」が出現。イノベーションを社会に浸透させるうえでの仕掛けとして、地域との接点創出の参考になりました。
フードテック&“超人スポーツ”デモ
プラントベースアイスの試食、超人スポーツ体験やVR体験もあり、最新技術に市民が触れあう姿は、日常生活との接続点を意識したスタートアップ支援の重要性を感じさせるものでした。

AIロボットと触れ合う子供たち

XRシューティングゲーム(日本XRセンター)を体感する京都府副知事


プラントベースアイス「yumrich(ヤムリッチ)」のサンプリングも
サイドイベント|都市を舞台にした共創の広がり
多様な主体による150以上の企画
都内各所で約150件におよぶサイドイベントが開催。大学・NPO・自治体が自主企画し、都市全体が“イノベーションの場”と化しました。
Tokyo Innovation Base(TIB)でのピッチ
有楽町のTIBでは連日ピッチやクロストークが展開され、形式に縛られない交流が生まれる支援環境として存在感を発揮しました。
JAPAN IP GOES GLOBAL – コンテンツの国際展開支援
虎ノ門ヒルズの情報発信拠点「TOKYO NODE LAB」と、コンテンツ関連産業に特化した東京都の創業支援施設「東京コンテンツインキュベーションセンター(TCIC)」の共催による交流会「JAPAN IP GOES GLOBAL ~TOKYOからコンテンツ・イノベーションを起こす~」が開催。日本発のアニメ・マンガ・ゲーム・音楽などコンテンツIPを、グローバル市場に展開するための学びとマッチングの場となりました。会場にはクリエイター、ライセンサー、パブリッシャーなどが集い、ディスカッションとDJによるカジュアルな交流が融合。形式にとらわれない出会いが生まれていました。

TOKYO NODE LABと東京コンテンツインキュベーションセンター(TCIC)共催の「コンテンツ・イノベーション」がテーマの交流会「JAPAN IP GOES GLOBAL」

心地よいDJプレイで交流が深まる

参加者125名がコンテンツIPの未来について熱く語り合う
地域×イノベーションの現場
渋谷・秋葉原・浅草では、アーティスト協働・オープンラボなど地域特性を活かした共創が進行。北九州・長野・福岡など地方スタートアップも注目され、場と地域の接続が起業支援の未来を形作っていました。
SusHi Tech Award 2025
来場者投票で選ばれた、注目スタートアップやプロジェクトを表彰
SusHi Tech Tokyo 2025の最終日には、来場者の投票によって選ばれる「SusHi Tech Award 2025」が発表されました。表彰は以下の3部門で行われ、いずれも今後の成長と社会実装が期待される取り組みばかりです。
Sustainable Startup(サステナブル技術・サービス部門)
- Bearable Co., LTD.(韓国):サステナブル都市に資するテクノロジーにより選出
- Choira Musictech Pvt. Ltd.(インド):異色の音楽系技術で場に彩りを
- FIELDX Co., Ltd.(日本):国内発のサステナブル技術を牽引
- Infloso AI(インド):AI技術を活用した都市課題へのアプローチ
- Kosmode Health Singapore Pte Ltd(シンガポール)
Innovative Pavilion(優れた展示体験部門)
- ITAMAE:学生チームが運営するピッチ・展示の工夫が評価
- Swisstech.:独自パビリオンで存在感を発揮
Outstanding Ambassador(場を盛り上げたアンバサダー部門)
- MegazoneCloud Corp.:スタートアップと会場全体をつなぐ”盛り上げ役”として選出

「SusHi Tech Award 2025」において日本のスタートアップ企業で唯一受賞したのは、スマートグラスソリューションを提供する「FIELDX Co., Ltd.」
総括|起業支援者にとっての次なる一歩

2026年のSusHi Techのビジョンを語る小池都知事
SusHi Tech Tokyo 2025は、都市・技術・多様なプレイヤーが交差する共創の場として、起業支援の在り方を問い直す貴重な機会となりました。次回「SusHi Tech Tokyo 2026」は、2026年4月27日〜29日の開催が予定されています。
海外VCや地方スタートアップとの連携、社会課題に根ざした事業の支援、市民や地域を巻き込んだ実装支援の重要性を再認識し、今後も実践的かつ柔軟な伴走を重ねていきたいと感じています。